本奨学金制度は、宇部市出身の実業家、内良義勝氏(京都府宇治市転居)が「郷土のために役立てて欲しい」と、宇部ロータリークラブに寄託された百万円を基金として、昭和44年2月に発足しました。 対象は宇部市内高等学校に在住する、人物成績ともに優れた生徒を対象に、学資の一部を返済義務なしに支給しております。 過去40年間に巣立った生徒は487人以上になりますが、制度の内容充実に現在も努めているところです。 内良義勝(うちら よしかつ)氏は宇部市内の私立長門工業学校(経営宇部興産宇部鉄工所)に学び、卒業後三菱電機名古屋製作所に入社、技師に昇進されたが、その後独立され、宇治市で製茶機の製造および水道・冷暖房工事等の事業を経営されました。 同氏が長門工業学校を卒業されたころは、会社から奨学金を受給していた生徒は卒業後、ある期間宇部鉄工所に勤務することを義務づけられていたのでありますが、家庭の事情でこれを果たさず、宇部を離れられました。 同氏はこのことが永い間気にかかり、また在学中郷土の皆さんから受けた暖かい隣人愛に対する感謝の思いが念頭から離れず、いつか郷土につくしたいと念願しておられました。 昭和43年、同氏は予定していたハワイ国際ロータリー大会への参加を取り止め、このために用意していた百万円を郷土のための役立てて欲しいと、宇部ロータリークラブの寄託されたのです。 宇部ロータリークラブは同氏のご厚志を活かすため、これを基金として奨学金制度を創立し、昭和44年2月4日、宇部ロータリークラブ独自のユニークな奨学金制度として、「内良記念宇部ロータリークラブ奨学金」制度(現名称=1993〜1994年度藤田良樹会長提案承認)が発足しました。 その後、歴代の会員が基金の増額、運営等に尽力し、当初は青少年奉仕委員会に属していましたが、昭和54年1月25日より、内良奨学金委員会として発足しました。 全国的にも、例の少ない、宇部ロータリークラブ独自の地域社会、青少年活動向けの奉仕プログラムとなっています。 事業の目的 宇部市内の高等学校に在学し、人物、成績とも優れた生徒であって、経済的な理由により就学が困難な者に対し、学資の一部として奨学金を給付しております。 財源 この財源とするため、会員は自発的な寄付をもって基金の増額に努めており、この果実とクラブ会計からの助成金により、毎年の奨学金が賄われています。 支給の対象者:宇部市内の高等学校で就学する生徒であれば、学科、学年、性別を問いません。 経済的理由で就学が困難な者を対象とします。 条件 この奨学金は返済義務はありません。 支給金額・期間月額 ¥10、000円を毎月指定金融機関に開設した受給生の口座に振込みます。給付期間は、給付開始学年の4月から最終修学年限の終期間までと致します。 本奨学金は貸与ではありませんので、返済の義務はありません。 支給対象人員 給付対象の生徒数は16名で、各高等学校それぞれ2名宛てとなっております。前年度の受給者で継続を希望する生徒についても、この枠内で手続きをお願いします。 応募選考 毎年4月、学校長に奨学生募集の案内文書を差し上げますので、奨学金の受給を希望する生徒の中から学校で推薦者を選定し、所定の願書・推薦書に所要事項をご記入の上、宇部ロータリークラブへ送付願います。追って学校へ決定通知を差し上げます。 給付の打ち切り 奨学金給付の必要理由が消滅するか、給付にふさわしくない状況となったときは、本人の申し出あるいは学校の判断により、学校からその旨を通知して下さい。 審議の上給付を打ち切ることといたします。(平成21年度)。 ロータリーとの交流 奨学金受給者は折にふれ、宇部ロータリークラブとの交流を深めています。それによりロータリーの精神を理解し、少しでも奉仕の理想を実生活に適用されるよう、宇部ロータリークラブ会員は期待しています。 毎年3月、クラブの第1例会は奨学生の卒業祝いの会として、記念品を贈り、会食を共にします。(保護者・担任教師も同席)。 監修:1981〜1982年度 会長:礒金房夫 校閲:1982〜1983年度 会長:吉村 亨 2009年度内良宇部ロータリークラブ奨学金制度委員長: 伊藤 登 担当文責:山本一男 (1988〜1989年度会長) |